現長崎県福祉保健部長は商売人に向いている!?
20
(火)
07月
【 エッセイ 】
2010年6月24日、長崎県議会予算総括において、一女性県会議員が、例の2009年12月から3ヶ月間放映された自殺予防対策に関するテレビコマーシャルついて質問を行なった。あのコマーシャル制作には1700万円費やしたそうである。その効果のほどは、以前私もブログでふれているが、5月までの昨年比を図表で紹介しておこう。皆さんどの様にお感じだろうか。
【長崎県の毎月の自殺者数】
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | |
---|---|---|---|---|---|
H22年(人) | 49 | 29 | 40 | 28 | 31 |
H21年(人) | 24 | 29 | 36 | 39 | 39 |
増減(H22-H21) | 25 | 0 | 4 | - 11 | - 8 |
女性県会議員の質問は、西脇病院ホームページ"院長の書斎"のブログ、2010年4月22日掲載「こんなこと当たってほしくなかったのに!」にほぼ沿ったものである。そこでの長崎県福祉保健部長の答弁、なかなかご立派である。本県においては、こういった広報、啓発活動に加え、関係機関の連携体制強化も図り、2009年12月~2010年4月末まで保健所、その他公的機関に自殺関連の相談が昨年に比べて5倍も寄せられたそうである。それでどうしたというのだ。連携体制強化を図っているのだったら、その相談をどの様に関係機関と連携して対応したかまでご答弁なさるべきである。そのご答弁がなかったところをみると、この1700万円のコマーシャルに費やした予算の他にもこの自殺予防対策について、億単位の予算を組んでおられるようだが、それも果たして有効に活用されているのか県民の一人として疑いたくなる。さらに、次の答弁が抜群である。...色々ともっともらしいことを釈明された後、「本県の場合、過去10年間1月の自殺者が多いといったデーターがあります。そこで年末から1月にかけてテレビスポットを流しました」とのことである。ほ~これは面白い。自殺された方、希死念慮に悩んでおられる方、そのご遺族、ご家族の方には申し訳ないが、私は次の様に彼の答弁を受け止めた。「え~手前どもの商店街では、この10年間、年末年始の売り上げが伸びておりますので、例年以上にと思いまして、テレビコマーシャルを流したところ、おかげ様で初春の売り上げは倍増致しました。誠に有難うございました」と。ご答弁なさった福祉保健部長様、公務員にはもったいない方である。一つ、市井の民となられて、何処かの商店街の組合長になられ長崎県の経済の活性化の一翼を担われたら如何なものだろうか?いや、長崎県の強かな経済人が貴方をお受け入れて下さるかな、一介の精神科医が軽々に判断することではなさそうである。
だが、ずい分以前にも、長崎県の県議会の答弁の中で、当時の福祉保健部のお偉い方が、精神科病院(確か、当時の県立大村病院:現長崎精神科医療センター)に長期入院されている患者さんのことを『ヘドロ』と表現され、私は異議を申し立てたことがある。そのやり取りの中で、議事録の訂正、削除は手続き上、大変らしく、その議事録はそのまま保存されているはずだ(私はそのコピーを持っているが...)。そんな時期も現知事、並びに現福祉保健部長は、生え抜きの県職員として奉職しておられたはずである。
長崎県知事殿、「人の痛み、思いを敏感に捉える...県政」とおっしゃられている以上、そんな弱者に一番身近な部署である「福祉保健部」の改革を、情報公開を含めてお願いしたいものだ。