1. ホーム
  2. Ken’s Lounge
  3. エッセイ
  4. 同じことが...!でも、ずい分違うよ!!

エッセイ

長崎県知事殿

前略

この数年、長年の悪しき体質が問題となり、その体質改善に取り組んでいる「日本大相撲協会」に不祥事?が発生した。
この不祥事について、メディアは次のように伝えている。

『親方の暴行が発覚したのは今月16日。警視庁への匿名の「春日野部屋で親方が弟子を暴行した」との情報がきっかけだ。これを受け、警視庁が春日野親方から任意で話を聴いたところ、親方は暴行を認めた。 また、部屋からは折れ曲がったゴルフクラブが見つかったが、暴行を受けた3人の弟子は警視庁の任意の事情聴取に「ルールを守らなかった自分たちが悪い」などと話した。 「(けがは)問題ないです」(暴行を受けた栃ノ心) 「親方にも直接謝ってもらった。誰が悪いのではなく、みんなが悪い」(暴行を受けた栃矢鋪) 
再び明らかになった相撲部屋での暴行・・・ 「教育の一環とはいえ、やりすぎたところはありました」(春日野親方) 3人の弟子にけがはなく、いずれも被害届を出さないということで、警視庁は事件として扱わない方針』

ここで私が注目したのは、警視庁が匿名の情報を「春日野部屋で親方が弟子を暴行した」と公開していることである。そして、暴行したと指摘された春日野親方に任意で話を聞いている。令状などの法的な書類は準備してはいない。

匿名の投書の取り扱いについてだが、失礼ながら、改善に努めている、といいながらも、まだまだ世間の信頼を充分に得たとはいいがたい「日本大相撲協会」の今回の不祥事、しかし、警視庁は匿名投書による調査理由をはっきりさせている。そして、任意で取り調べている。
それに比べて、当院に対しては、匿名性を守るため、その投書の内容も一切公開しない。
匿名の投書があったと、速やかに「医療法25条第1項」による法的な手続きをとっての当院に対する5月17日の強引な長崎県・市行政当局の立入調査。結果、当院は何の問題もなく、その投書は虚偽であった。しかも、これまで、当院は大きな問題を指摘されたこともない。何か変だ。精神科病院である、これまでも匿名によるクレームなど、行政当局に寄せられることはあった。その都度、まず、電話で、その事実確認が行われてきた。春日野親方に対する警視庁の任意の問い掛けと同じようなものである。何故である。そこまでして当院宛の投書(メール)の発信元を守るのだろうか?きっと行政にとっては大事な関係に違いない。

当院の顧問弁護士が色々調べたところによると、「医療法25条第1項」で問題が発覚すると、その医療施設の管理者は、現在の担当責任者を懲戒解雇させねばならないらしい。 となると、病院運営は滞る。なるほど最近、病院運営の仕切り直しの中で、支援のため、人材を送り込みたいと提案された機関があった。しかし、私は信頼できない、とお断りした経緯がある。 今度のこと、霞の向こうに何やら見えてきたような気がするのだが...。
草々
                       
平成23年10月22日
西脇病院 理事長
西脇 健三郎